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■ついつい新しいガジェットやソフトに手を出してしまう、『人柱系CGモデラー』によるTipsブログです。

CG入門編其ノ肆~CG原型入門編~

CG入門 CG原型

CG原型入門編

さて、ようやく本題に入れそうです、僕の本業はCG原型でもあります。CG原型に関しては特に詳しく記載していこうと思います。

 

 

CG原型とは?

 

CG原型とは3DCGによる正確で精密な複製出力可能な造形方法です。

どんなに細かい造形でもデジタルデータなら正確に行うことが出来ますし、データが残るのでいざという時にやり直しが効くことも大きな利点です。

 

理想を抱いて溺死しろ!これが3Dプリンターの現実だ!

 

家庭用3Dプリンターの登場で業界は変わる!と言われていましたが、実際は3Dデータを作成したり扱える人間が少ないことや、コスト、クオリティの問題から気軽に使えないという問題点が浮上しましたね。

 

コストの問題が解決したとしても、3Dプリンターの出力物はどのような方式でも、洗浄や磨きのフィニッシュ作業が必要となります。

着彩や組み立てを抜きに考えても手作業による仕上げが欠かせないものとなります。

 

3Dプリンターのリアルとは、ボタンを押せばお手軽にきれいな出力物が出来上がるわけではなく、3Dの高度な知識、そしてアナログ造形の高いスキルが求められるのです。

 

アナログ造形のスキルが必要だという部分が特に多くの人が見落としがちなことだと思います。お前ら舐めんにゃ(=^・ω・^)よ!

 

商業での3Dプリンターの活用方法、値段相場のお話。

 

現状では3Dプリント出力が法外に高いので3Dプリンターで出力したものをそのまま売ることは難しいです。

 

商業でよく使われるProjetシリーズやDigitalWaxシリーズで15センチ程度の一般的なフィギュアを出力してもらうと、、、およそ10万円~20万円ほどかかります。

更にフィニッシャーに塗ってもらうともう10~20万円程度かかります。

フィギュアが1体20万~40万円もしていては、とてもコンシューマ(一般向け)には販売できませんね。

 

3Dプリントした出力物は、複製するための原型を作るための手段として活用されているのが商業での今も昔も変わらない現状です。

 

 

CG原型のモデリング入門編!

 

ココからはちょっと難しい話になります。難しい話なので面倒であれば読み飛ばして大丈夫ですが、大切なのはローポリ、ハイポリの欠点と利点が分かっていることだと思います。赤字の部分だけでも読んでいただけるとそれぞれの欠点利点がわかると思います。

 

ナーブス・ベクターモデリングに関して

 

商業部品にはCADと呼ばれるベクターやナーブススプラインと呼ばれる関数を用いた曲線で正確に立体物が設計されます。

 

AutodeskCADや、工業部品のシュミレーションができるSolidWorks、Rhinoceros等のソフトがあり、工業製品やプロダクトの分野で用いられ、理工学系の頭の良い人がよく使います。

 

…僕もいずれは設計や工業製品設計等の分野は勉強したいですが、今回は特にフィギュア造形について掘り下げていきたいと思うので飛ばします(笑

 

ポリゴン・ボクセル系モデリングに関して

 

より直感的な感性が求められるアートやエンターテイメントの分野ではポリゴンによるサブディビジョンサーフェスモデリング(ローポリ)や、ハイポリゴン、ボクセルによる大量の頂点を直感的に編集するデジタルスカルプティング(ハイポリ)が行われます。

 

ベクターよりも正確さに欠けますが、直感的に造形できることは創作の分野においては何よりも大切なこととなります。

 

・ボクセルモデリングに関して

 

ナーブス・ベクターのモデルを2Dに置き換えるとIllustratorで作成されたベクターデータとなりますが、

 

ボクセルモデリングを2Dに置き換えるとPhotoshopで作成されたビットマップ(ドットの集合体)ということになります。

 

ドットで構成された絵にもう一軸追加され、立体版のビットになったものがボクセルです。

 

フィギュア造形ではビットマップ画像同様に解像度を持つボクセルや、ポリゴンと呼ばれる頂点、エッジ、フェースから構成されるオブジェクトで、より感覚的に造形がなされます。

 

・ポリゴン(ローポリ)に関して

 

ポリゴンもボクセルも、頂点、エッジ、フェースから構成され、メッシュと表現されることもありますが、基本的に同様に扱うことが可能です。

 

つまり、ボクセルで編集していたオブジェクトも、それは非常に大量のポリゴンデータです。ポリゴンがとても多いことをハイポリゴン(ハイポリ)と呼びます。

 

・サブディビジョンサーフェスに関して

 

ポリゴンの場合は少ない頂点数で物体のエッジや局面を正確に表現することが可能です。

 

ポリゴンの物体を擬似的に分轄し、丸め込みをかけることをサブディビジョンサーフェスと呼び、ピクサーのアニメーション等でも用いられています。

 

尚、丸め込みをかける際にエッジを建てたい部分に物体に折り目をつける事ができ、これらの切り替えをMayaではハードエッジ、ソフトエッジ、3dsMaxではスムージンググループと呼び分ます。

 

・ハイポリゴン(ハイポリ)に関して

 

ハイポリ、ボクセルの欠点角が立たないことなめらかな曲線が苦手なことにあります。

角を立たせたり、なめらかな曲線を表現するには非常に高解像度にしなければいけませんが、編集過程で形が崩れてしまえば大量の頂点を移動させ綺麗な形状に戻すことは難しくなります。

 

ローポリ、サブディビジョンサーフェスモデリングの欠点は、きれいな局面やエッジを少ない情報で表現できる代わりに、人肌の毛穴や洋服のシワなど、細かいディティールを表現できないことにあります。

 

ハイポリゴンとローポリゴンと分けて考えるのは、ローポリというフェチズムの存在する日本だけだと言われていますが、便宜上ハイポリゴンについて言及すると、ハイポリとはローポリゴンをひたすら分轄していき、分割数を上げまくったものです。

 

ZBrushでは「マルチサブディビジョンメッシュエディテング」といって、一つのオブジェクトを分割しても元のローポリの状態に戻せる機能が備わっています。

 

ローポリゴンをそのままハイポリゴン化し、ボクセル化せずにハイディティールな形状を作成することで、サブディビジョンサーフェスモデリングの長所を生かしつつ細かいディティールを追加できるという利点があります。

 

 

業界標準ソフトに関して!

 

前述した長くて分かりにくい話は、全ての3Dソフトに共通する概念のお話でした。

この章ではソフトのお話をしようと思います。

 

3Dを全く勉強されたことのない方は驚かれると思いますが、実は3D関連のソフトはものすごく沢山あります!!

 

始めのうちは分からないと思うので、ここでは3D原型に用いられる主要なソフトだけをピックアップしたいと思います。

 

ZBrush

 

数億、数兆に分割したメッシュに対して感覚的にデジタルスカルプトモデリングができる元祖スカルプティングソフトです。ちなみにスカルプト(彫像)する人をスカルプチャーと呼びます。

 

ハイポリとローポリを行き来しながら作業ができるので、前述したハイポリとローポリの特性を良く知っていると良いです。

 

原型ではよくDynameshというボクセルスカルプトの機能が使われますが、エッジが立たないのとポリゴン構造を破壊してしまうので僕ははじめに大まかな形を作る時か、最後の段階まであまり使いません。

 

ZBrushは他のソフトには描画できない重いハイポリデータを編集できるので、非常にリアルなモデルを作ることができます。原型用のデータだけではなくペイントする事もできます。ローポリに対してゲーム用のテクスチャーや凹凸のデータを作成できるのも利点です。

 

最近なにかと注目を浴びるZBrushですが、ズィーブラッシュと発音します。ゼットブラシとか読んでると外国の人に笑われてしまいます。僕の尊敬するZBrushの日本代表公式インストラクター和田真一さんも言ってますが、ソフトを開発したPixologicの人たちに敬意を払って正しい発音で呼称しましょう。

 

僕は経験上ゼットブラシと呼称している人とは仲良く出来たためしがありません…。

 

・3D-Coat

 

知名度は低いですが、珍しく日本語化されているソフトで結構有能です。

 

ポリゴンを貼り直すリトポロジや、ボクセルのブーリアン(体積の和や差)処理が優秀で、CG原型ではパーツ分轄(パーティング)に使われることが多いです。

 

ゲームの分野でもかなり優秀で、

 

ZBrushが頂点ペイントしか出来ないのに対して、PTexペイントやUVベースのペイント機能があります。そのため分割数を増やさずに綺麗にペイントすることが可能です。

PhotoshopのPSDデータに対応しているので連携が取れることも魅力です。

 

 

・MudBox

 

3DCGの映像ゲームで一番業界シェアが高いソフトがAutodesk社製の統合3Dソフト、Maya、3dsMax、XSI(Softimage)、通称[御三家]ですが、Autodesk版のZBrushがMudBoxです。元々はMayaの補助ツールとして作られ、Autodesk社製品との連携が抜群です。

 

スカルプトの精度だけで言えばZBrush、3D-Coatに軍配が上がりますが、これらのソフトを他のソフトと連携して使うのはかなりのテクニックとノウハウが必要になってきます。

 

それらの苦悩がなくなることを考えるとMudBoxは映像向けにはかなり有能なスカルプトソフトだと言えます。

 

CG原型では…使ってる人見たことありません。MudBox?笑wwってかんじで笑われちゃう感じです。

 

・FreeForm

 

まず個人では手に入らない年間維持費が400万近くする3DSystemsの3D入力装置+ソフトウェアです。

 

ガチ勢向けです。3D版のペンタブの様なデバイスがあり、画面の中で物体に衝突、スカルプトすると抵抗や引っ掛かりが生じます。

 

一通り勉強しましたがソフトが恐ろしく使いにくいので、僕は3D-Coatで代用できるんじゃないかと思っています。

 

高価で価値のあるデバイスだと思うので、気になる方は会社などで買ってもらいましょう。

 

CG原型入門編、最後に

 

CG原型だけで言えばZBrushと3DCoatだけで十分だと思います。

 

ゲーム用、映像用のモデル作成になるとまたMayaや3dsMaxが必要になってきますがその話は次の回でしたいと思います。

 

→ 次は映像系のCGに関してまとめたいと思います。